記録・初めて物語・S1970

記録初めて物語　(1970年）

1位・2位を独占　藤圭子　　（1970年5月25日)

　前年ピンキーとキラーズがTOP3に2曲を同時ランク・インさせたが、1位・2位独占は初めて！
この年の話題を独占した感のある藤圭子のデビュー2作目「女のブルース」が、３曲目「圭子の夢は夜ひらく」に首位の座を明け渡した5月25日に夢の記録が誕生した。
１・2位独占は翌週までの2週間、TOP3に2曲は5月18日～6月8日までの4週間、Top10に2曲はこの年合計7週間記録している。
この記録から約30年後、彼女の娘＝宇多田ヒカルが、母＝藤圭子を超える様々な記録を打ち立てることになろうとは、誰も予想できなかったでしょうね。

洋楽曲・Top10に4曲ランク・イン (1970年5月11日)

洋楽シングルがTOP10内に入ることが困難な現在では、奇跡のチャートとしか思えません。
しかし、当時は毎週1曲以上の洋楽がTOP10内にランク・インしていたのです。
68年・69年に数回、3曲同時Top10内はあったが、4曲は初めてで、この記録達成は5月11日だった。

3位に「ヴィーナス/ショッキング・ブルー」、4位に「マルタ島の砂/ハーブ・アルパート＆ティファナ・ブラス」
9位「ちっちゃな恋人/ジミー・オズモンド」、そして10位に「レット・イット・ビー/ビートルズ」

わずか1週だけでしたが、翌々週の5月25日にはTOP20に8曲の洋楽曲という、よだれが出そうなチャートも出現しており、洋楽ファンにはたまらない時代だったのです。

　　洋楽曲・Top3に2曲ランク・イン　(1970年11月9日)

洋楽シングルが1位に輝くことが出来た時代だからこそ成し得た快挙は、11月9日のチャートであった。

10月19日から3週連続1位に輝いたジェリー・ウォレスの「男の世界」が2位に落ちたこの日、3位に上昇してきたショッキング・ブルーの「悲しき鉄道員」と共に記録を達成！
以下、11月30日まで4週連続、そして12月28日にも再びコンビを組んで、計5週間2位と3位を独占した。
尚、この12月28日では4位にも、やがて1位を獲得するマッシュ・マッカーン「霧の中のふたり」もランク・インしていた。

re-entry のインターバル記録　「希望/フォー・セインツ」

　”希望という名のあなたを訪ねて～”　岸洋子のヒットで有名な「希望」は、元々倍賞千恵子主演のミュージカル「イルマ・ラディウズ」のために書かれた曲であった。
これを「小さな日記」でデビューしたフォーセインツが2曲目で取り上げた。
69年6月2日、72位に初登場したフォー・セインツの「希望」は、7月7日に最高位44位を記録しながら9月1日90位まで14週間でいったんその姿を消す。

翌70年、前述の岸洋子盤の大ヒットにより、彼らのレコードにも人気が再点火、70年6月29日に76位に再登場、8月10日と8月24日に最高位26位を記録し、10月12日の80位を最後に姿を消すまで16週間Hot100に滞在した。re-entryまでのインターバルは25週間。約半年の26週目に再登場したわけである。

尚、「希望」はこの年、シャデラックスも競作に参加して8月3日には3作がTop40内にランク・インしている。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

ハイエスト・デビュー曲は3月2日の15位森進一「恋ひとすじ」、同17位ショッキング・ブルー「ヴィーナス」、
5月11日の14位ドリフターズ「ドリフのほんとにほんとにご苦労さん」、同16位藤圭子「圭子の夢は夜ひらく」、8月10日の11位藤圭子「命預けます」、11月9日の15位藤圭子「女は恋に生きてゆく」あたりだが、Top10内初登場は68年に記録した2曲以降、69年・70年と2年連続で現れなかった。

Jump Up記録としては4月6日に前週の91位→11位に80ランク・アップしたタイガースの「都会」がこの年の最高だが、新記録達成は成らなかった。

その他の参考記録
Top10内に同時2曲ランク・インは藤圭子の他、5月4日に内山田洋とクール・ファイブ、12月28日に渚ゆう子も記録した。
Top100内同時4曲ランク・インはダニエル・ビダルが5月4日と5月11日に「カトリーヌ」「カトリーヌ（日本語）」「天使のらくがき」「小さな鳩」で記録。